ワンちゃんを守るための不妊手術


愛犬家プロジェクト取材班の川上尚子です。

愛犬家のみなさん、今から犬を買おうと思っているというみなさん。こんな法律があるのをご存知ですか?
「犬又は猫の所有者は、これらの動物がみだりに繁殖してこれに適正な飼養を受ける機会を与えることが困難となるようなおそれがあると認める場合には、その繁殖を防止するため、生殖を不能にする手術その他の措置をするように努めなければならない。」(『動物の愛護及び管理に関する法律』第37条より)
生まれてくる子犬の世話をできるという確信がなければ、不妊手術をワンちゃんに受けさせるのは、飼い主の責任だということですね。
専門家によると、不妊手術が重要な理由はいくつかあるようです。獣医師の大久保利秀先生(オークどうぶつ病院)と、犬猫の殺処分問題の啓発活動を行っている小野教子さん(ドッグマンス)にお話を伺いました。



ワンちゃんを守るための不妊手術



医学的理由

避妊手術をすると、性器や性ホルモンに関わる病気のリスク回避になります。
大久保先生によると、発情期にかかりやすい子宮蓄膿症は子宮をとっていれば100%予防できるそうです。
また、乳がんの予防にもなります。避妊が早ければ早いほど乳がんの予防の確立が上がるそうです。1回も発情していなくて避妊すれば、100%予防できるそうです。犬の乳がんの50%は悪性らしいので、予防できるにこしたことはないですね。



行動学的理由

犬は、オスは1年中、メスは一定期間ごとに発情期が来ます。野生ならば、いつでも繁殖行動ができますが、ペットはできません。そうすると、イライラが溜まり、ストレスにつながります。
小野さんはこんな喩え話をしてくれました。「マンションの2Fにオスの犬が住んでいて、4Fにメスの犬が住んでいた場合。不妊手術をしていないと、離れていてもお互いに吠え続けてしまいます。また、ストレスから飼い主さんに噛み付くなど、問題行動につながる可能性もあります。そうすると、飼い主さんにとっては「飼いにくい犬」になってしまいます。」



遺伝学的理由

小野さんによると人工的に交配されてきた犬の遺伝子プールは狭くなっており、遺伝病が多いそうです。例えば、ダルメシアンは、耳が聞こえなくなりやすかったり、ブルテリアは心臓が弱かったりします。ちゃんと勉強しているブリーダーではなく、知識の無い人が交配して遺伝病の犬が生まれてしまったら・・・生まれてきたワンちゃんだけではなく、飼い主さんも不幸になってしまいます。



社会的理由

「簡単に言えば、犬の数が飼いたい人の数に対して多すぎるとうことです」と小野さんは言います。だから、殺処分される犬は今でも沢山います。不妊手術をうけていない犬同士が産んだ子犬を飼い主が飼えないとなると、その犬たちはどうなるでしょうか?上記の法律でも定められているように、「最後まで飼い続けられる」という自信がなければ、かわいそうな子を一人でも減らすために不妊手術を受けさせてあげるのは飼い主さんの責任なんですね。



大切なワンちゃんの健康ため、人と犬の暮らしやすい社会をつくるためにも、不妊手術は重要なのだと分かりました。



川上尚子/愛犬家プロジェクト



取材協力

ドッグマンス
オークどうぶつ病院


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